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今昔妖かし奇談

1 :本当にあった怖い名無し [↓] :2010/07/31(土) 21:20:40 ID:Z2h+o0gXP [p2]
妖怪にまつわる忘れ去られた伝綺
地方の伝説から身近に伝わる妖しい話、体験談でもいいです。
妖しい雑談でもいいんです。
どこかノスタルジックで面妖な、そんなオカルトなスレです。


8 :本当にあった怖い名無し [↓] :2010/08/01(日) 13:48:29 ID:O1psoXlyP [p2]
『お酒にまつわる不思議な伝奇』

わが地方に密かに語り継がれる伝奇のなかに、お酒にまつわる奇譚がある。
これは、酒をお猪口に注ぐこと数回にして、ようやく酔いがまわる頃に体験する、ちょっとした不思議な話である。

酒に酩酊し始めた状態で、そのお猪口の水面をじっと眺めていると
たまに、記憶の奥底に眠る思い出の心象風景などが、ぼんやりと霞んで見えることがある。
心象風景であるから、田園、山々、古き町の賑わい、と見る人によって、様々な光景が映し出されはするものの
田園の畦道、山々のけもの道、町並の街道、といった具合に、全ての風景には必ず「道」が存在する。
その心象風景のなかの「道」に、朱色の着物を着た一人の麗しき女性の歩いてゆく姿が見受けられたならば
それは、今宵はいい酔いが回ってくるという験(しるし)なのだそうだ。
「いい酔い」とは、二日酔いにはならず、終始気分の良くて尾を引くような後味の悪さすらない、そんな 酔い のことだ。
しかしながら、この女の正体は今だに誰にもわからずじまいである。 醸造の神か、はたまた妖かしか



13 :本当にあった怖い名無し [↓] :2010/08/03(火) 16:18:40 ID:bLMm3bHCP [p2]
九州は球磨地方、この山々を越えた先にある湧水の里にて語られている一つの伝奇がある。
この山奥に流れる溪(たに)は、碧々と澄みわたりて、たいそう妖麗な趣きであることから
“天より降りし川" という意味の名を冠され、ここら一体は無何有郷さながらの平家伝説の里めいた風情が今なお残っている。
この溪を山深くまでのぼっていくと、一箇所だけ大穴を穿ったような渓流の窪みがあり、その淵の底はとても深いのである。
この場所は、鱠ヶ淵(なますがふち) と呼ばれている。


『流木奇譚』

清流だけに棲まう珍しい魚と、妖しい静謐さのただよう 鱠ヶ淵の水底には、
ある奇妙な形をした流木が沈んでいる。
実はそれは流木ではなく、河童の甲羅の朽ち果てたものであるというのだ。
現在は、川の主ほどの大きさの大鯰の寝床となっている。



18 :本当にあった怖い名無し [] :2010/08/05(木) 18:55:16 ID:ILJPwIPmP [p2]
「山の落語家」

肥後の北にある“神楽の里"と呼ばれる地方の、山奥の池まで菱(ヒシ)の種を採りにいった時のこと。
池の中に入り菱の種を手で掬っていると、池のほとりから蝉の鳴き声に混じって人の唸るような声が聞こえてきた。
驚いてその方向に目を遣ると、苔むした岩の上で落語家のようなウシガエルが、え゛ー、え゛ー、と低い声で鳴いていたのであった。
演目の一題でも噺(はな)してくれるのだろうかと、池の中でじっと待ち構えていたが、
岩苔の座布団に座った仏頂面の落語家は、依然として低い声で唸りながら、時折思い出したかのように前足で顔の汗を拭う仕草を繰り返すばかりであった。



30 :奥野の伊奈 ◆LABYNTzdKY [] :2010/08/08(日) 22:13:10 ID:tnY8QquuP [p2]
近所にある大きな寺の横の路地裏の、じめじめした石積みの壁からシダ植物が幾つも生える、昼なおうす暗い細道を過ぎると、
廃墟となった民家が軒を連ねる寂しい裏通りに差し掛かる。
そこには一軒の古めかしい木造の映画館が建っていた。
既にとうの昔に廃墟と化しており、今では半分以上が崩壊して草はぼうぼう、入ることすら儘ならない無残な状態となっている。
ここの前を通る度に、十数年前にこの映画館で出くわした正視するには忍ぶほどの、ある奇怪な光景をまざまざと思い出す。

『映画館の奇怪な風景』


まだ私が小学生だった頃
学校の帰り道に友達と興味本位でこの建物を探検することになった
中は、どこにでもある廃墟と変わらない荒れ具合で、殊更おかしな雰囲気ではなかった
友人が映画館の奥の方に構えた座敷部屋の、堅く閉めきったその扉を開けるまでは……
その友人の叫び声を聞いて、慌てて飛んできたとき、
常軌を逸したような気違いじみた光景が目に飛び込んできた

奥座敷の畳の床一面に、ぎっしりとモノクロのポルノ写真が散らばっていたのだ
さらにおかしなことに、着物姿の女が乳を曝け出している写真や淫売が男と激しく交わっている写真のどれも、異様に古い年代物ばかりであった
とうの昔に廃墟となったといえども、二十年ほど前のことである
当時でさえモノクロの写真は珍しかったであろうに、どこでそのようなものをたくさん手に入れたのか、
それらの写真は、さらに奥の部屋につながる廊下にまで溢れかえっていた。
あまりの気味の悪さに、友人と こけつまろびつ映画館を後にして以来、あの場所には踏み込んでいない
今では、映画館の見る影もなくなった跡地に、かろうじて「バタリアン」と読み取れる映画の看板が
血が乾いたような赤錆にまみれて不気味に佇んでいるだけだ


31 :本当にあった怖い名無し [↓] :2010/08/09(月) 00:49:31 ID:zM8cfCiEP [p2]
それでは…。

長崎のとある島にて伝わったお話。

ある日、島の侍が小さな洞窟の中に白い大蛇がいるのを見つける。
大蛇は誰にも自分の事を言わないように頼むが
侍は討伐隊を作らせ退治してしまう。
大蛇は恐ろしい断末魔とともに
侍に向かい七代先まで呪ってやると言い絶命。
その後、侍の家系は不具の子や病気などにより
本当に七代目で滅んでしまったそうな。

とんからりのぷう。



46 :本当にあった怖い名無し [↓] :2010/08/18(水) 14:16:55 ID:TOHj5fPhO [携帯]
幽霊や妖怪と仲良くなりたい
幽霊だったら「元」人間だし俺に怨みがあって化けて出てきた以外なら仲良くなれそう

オカ板住人の方達の意見を聞きたいです



48 :奥野の伊奈 ◆LABYNTzdKY [↑] :2010/08/21(土) 18:24:54 ID:kVRXLqelP [p2]
>>46
自分の場合は、仲良くなりたい以前に、みたことないです
そういった化生の類とは、あまり縁がないかもしれません
もし妖怪と仲良くなりたいのなら
真夜中というよりも、夕暮れ時に外に出てみるといいですね
恐怖よりも感受性が鋭い、心でモノを見るような、そんな時間帯です


夕暮れ時は、“逢魔が時"ともいって、妖(あやかし)が闇の中を跳梁跋扈しだす頃。
逢魔が時は、いわば「魔」の所在とされる「すき間」。
日の沈む風景に心を奪われて、そのがらんどうとなった心の隙間から、妖怪や幽霊というものが生まれてくるのかもしれない。



53 :本当にあった怖い名無し [] :2010/08/23(月) 17:10:30 ID:uMPl4z9B0 [PC]

皆のように雰囲気のある文章は描けないが高校時代に後輩から聞いた話をひとつ。
後輩の通っていた小学校には不思議な言い伝えがある。

言い伝えの舞台となるのはその小学校の近くにある小さな空き地だ。
学校の裏地にある階段を上ってゆけばたどり着くのだそうだが、その空き地には夕方以降足を踏み入れてはいけないよと、
後輩達は教師や地域の大人に口うるさく言われ続けていた。
なんでもその空き地、入ると化かされるのだそう。
出口が分からなくなって同じ場所を何度もぐるぐるまわったり気分が悪くなったりするらしい。
その土地で昔何かがあったとかそういう系の話はないが、とにかく今でもその小学校に語り継がれているのだそうだ。


・・・・・オチのない話ですまない。
小学校って結構不思議な言い伝えとか入ってはいけない場所とかあったりするよな。


54 :本当にあった怖い名無し [] :2010/08/23(月) 23:56:04 ID:73GPMTH40 [PC]
>>53
あるある


うちの小学校の端っこには古い井戸が取り壊されずにずっと残ってる。
幽霊は出なかったけど、ずいぶん前に女の死体が発見された。
片腕だけが異様なぐらい細長かったらしい。
結局身元すらわからないんだと地元の消防団に所属する父から聞いた。
不気味というか謎だらけなので今だに壊せないそうだ。
学校の怪談というよりも学校の七不思議の一つ



56 :本当にあった怖い名無し [] :2010/08/24(火) 18:21:17 ID:4X+mo9RW0 [PC]
それなら自分の知っている民話をば。

今は昔、鹿児島県の指宿というところになかなか子供のできない夫婦があった。
夫婦は指宿にある池田湖という湖に毎日通っては「どうか子供ができますように」
と祈っていた。
ある時、夫婦の祈りがかなったのかかわいらしい娘が生まれた。
夫婦は大変喜び娘を大切に大切に育てた。
しかし、娘は足が不自由で歩くことができなかった。

そのうち娘は7歳になった。

この地方では七歳になったおなごん子(女の子)は花タンゴと呼ばれる小さな桶を持って湖へ水を汲みに行くという祭りがあった。
運んできた水は神や仏にお供えし、子供たちの健康を祈るのだ。
娘は黙って縁先から祭りを見ていたのだが突然自分も花タンゴを担ぎたいと言いはじめた。
母親は、娘の好きにさせてやろうと思い花タンゴをそろえてやった。
娘がタンゴの天秤棒を肩にかけた途端、なんと娘がすくっと立ちあがったのである。
あっけにとられる夫婦に娘はにっこり笑いながら「水汲みにいっきもんで(いってきます)。あたいのあとをけっしてついてきやんな」と言った。
娘はそのまま花タンゴを担いで五回も六回も水を汲みに行った。
母親はあまりの不思議さに、七回目の水汲みに出かけた娘の後をこっそりついていった。
なにも知らずに水を汲もうとしている娘を見ていると、母親はじっとしていられなくなり思わずそばに駆け寄った。
娘は母に見つかったと知ると悲しげな顔になり、そのまま湖の中に入って行った。
母親は必死に止めようとしたが娘はすでに青々とした水底に沈んでしまったあとだった。
母親が悲しみに暮れていると突然水面が泡立ち七本の角を生やした大蛇が現れてこう言った。

「来年の今日、親孝行しにもどってきもんで。」

しかし、母親はあまりの恐ろしさに「いや、もうもどってくんな。」と夢中で叫んだ。
それを聞いた大蛇はさみしそうに湖へと戻っていった。
それから湖は七日七夜激しく波立ち、雨のごとくしぶきを上げていた。
八日目にすっかり静まり返った湖面には花タンゴがふたつ浮いていたという。

池田湖といえばネッシーならぬイッシ―が有名だが、古くから神の御池として龍神信仰があるらしい。


57 :本当にあった怖い名無し [↓] :2010/08/24(火) 18:31:11 ID:lDPVHn3W0 [PC]
>>56
大蛇可哀想だな‥
大蛇は、自分の所に祈りに来ていた夫婦の望みを叶えるために、自ら夫婦の娘として生まれてきたんだな
蛇だから歩けなかったんだね

つーか母ちゃん、幾ら怖くても「もうもどってくんな」はないだろ‥


58 :本当にあった怖い名無し [↓] :2010/08/24(火) 18:51:15 ID:GLXnOOqv0 [PC]
近年稀に見る良スレ


59 :本当にあった怖い名無し [] :2010/08/24(火) 18:52:29 ID:4X+mo9RW0 [PC]
>>57
こういう異界のものと人間が交流する話って結局人間の身勝手で離別する話が多いよな。

まぁ母ちゃんのショックも分からなくはないが・・・・。



61 :本当にあった怖い名無し [] :2010/08/26(木) 19:37:29 ID:G8mXFqme0 [PC]
岡山県の昔話。

『まどうとおおかみ』

昔、山村に魚を売りに行く商人がいた。
山村では魚は重宝するため商人はあちらの山へこちらの谷へと忙しく働いていた。

さて、この山には昔から狼が住んでいて腹が減ったら人を襲うこともあった。
しかし、狼よりも村人に恐れられているのはまどうという化け物である。
なんでもこの山に巣食っているというのだが噂を聞くばかりで実際にその姿を見た者はいないのだった。

今日も商人はいつものように大きなかごに魚を入れてきつい山道を登る。商人は峠道近くの道に差し掛かった時、ふいにかごを地面におろした。
あたりは藪だらけで生き物の姿は見えないが、藪の向こうで狼がこちらに耳を澄ませていることを商人は知っていた。商人はかごの中から生きのいい魚をよりだして、「おおかみさまどうぞ!」とさけんで藪の中に魚をほおり投げた。これが商人の毎日の日課であった。

その日は商売に手間取り、山道を家へと引き返す頃にはもうすっかり日が沈んでいた。
ふと見ると山道の両側に挟み込むようにして狼がまちぶせている。
「おや、おおかみさま。どうなすった?」
商人が近寄ると、二匹の狼は商人にとびかかろうと身を低くした。
「おれを食おうとして待ち伏せていたのか。毎朝魚をやってきたのに、やはり狼は狼なんだなぁ。」
商人はもはやこれまでと覚悟を決め、道に座り込んだ。
そのとき、おどろおどろしい山なりが山々に轟きわたった。とたん、二匹の狼は商人に飛びかかり体の上に覆いかぶさった。

「おらぬぞぉ。商人がおらぬ。ついさっきまでみえとったのに狼しかおらぬ」
不気味な声が山に響いた。『まどう』の声である。商人は狼の体の下でちいさくなって震えているしかなかった。
やがて一陣の風がどうっとあたりを揺らし、まどうは山の向こうへ消えていった。
「おおかみさまがいなかったらおれはまどうに殺されていた。ありがとうよ。」
商人は狼に礼を言うと、急いで山を降りた。

それ以来、商人はいままでにも増して山の狼を敬うようになったという



67 :本当にあった怖い名無し [↓] :2010/08/27(金) 14:35:25 ID:3bVeOFgX0 [PC]
狼が人を襲う事が少ないって説は、根拠になっていた記録のいい加減さがばれた事と、
最新の観察結果から、近年見直されてる
でも、それは主に西欧での話で、日本の場合は家畜の害が理由とはいえ、絶滅させる
ほどではなかったよなあ……

これだけじゃなんなので、祖母から聞いた小ネタを
年老いても健脚の祖母は、半径四キロほどの活動域を基本、全て歩きで踏破していて、
範囲内の抜け道とかは家族の誰より良く知っている
でも、そんな祖母が一箇所だけ絶対に行かない場所がある
それは昭和初期に作られた橋で(今は二代目)そこを通ると大幅にショートカットできるのに、
わざわざ遠回りして歩いて行く
理由を聞いたら答は「馬の首」が出るから、だった

子供の頃、その橋にお化けが出るという噂が広がったのだが、祖母はそれを信じなかった
のだそうだ
ある日、対岸の親戚の家に祭りに呼ばれた帰り、一緒に行った従姉妹は怖がって遠回り
したが、祖母だけはその橋を渡ることにした
すると、もうすぐ橋を渡り終えるというところで、いきなり川の方から何かが飛び出してきて
祖母の方へ向かってきた
よく見るとそれはぼんやり光る「馬の首」で、祖母は家に着くまで、嫌というほど追い掛け
回されたそうだ

なぜ、そんなものが出るのか、他の人は何を見たのかなどのサイドストーリーは何も無い
ただそれだけの話なのだが、普段は何事にも動じない祖母が、怖がる唯一のネタなので
昔、本当にそこで何かあったのだろうと思っている



74 :本当にあった怖い名無し [] :2010/09/04(土) 16:13:43 ID:w+oUEEZPO [携帯]
小さい頃祖父から聞いた話。


旅人が山中の家に一夜の宿を乞うた。
主人は泊めるのは構わないが、近隣の者に不幸があって夜は家を空けなければならない。
夜更けまでには帰ってくるので留守を預かってほしいという。
旅人は泊めてもらえるのならば、と頼みを受けた。
主人が出かけてしばらく、旅人は囲炉裏端に座っていたが、奥の部屋で、すーっ、ことん。と音がした。
襖を引く音だったが、奥の部屋どころか家には旅人しかいない。
しばらくするとまた、すーっ、ことん。またしばらくするとすーっ、ことん。
恐る恐る奥の部屋を覗いてもやはり誰もいない。
音はその後もえんえんとつづく。旅人は怖くなったが、夜の山中に飛び出すこともできず、囲炉裏端で布団をかぶって震えていた。
どれほどたったか、主人が帰ってきた。旅人が主人の留守にあったことを話すと、主人は笑って言った。
「そりゃあ「すーっことん」です。音がするだけで何も悪さはしませんよ」


これ、どこかの民話なのか祖父の創作なのかも分からないんだ。地元の民話集めた本でも見たことないし。
誰か似たような話知らない?

それにしても今思うとなんかまぬけな名前。



91 :本当にあった怖い名無し [↓] :2010/09/29(水) 06:13:45 ID:BhIs5gaE0 [PC]
江戸時代の奇譚ならこれが一番好きだな。

天女の接吻

松平陸奥守忠宗の家来の番味孫右衛門という男が自宅で昼寝していた所、
天女が降りてきて接吻した。
不思議な夢を見たものだと誰にも話さずにいると、その日より孫右衛門の
口中から匂いの玉を含んだような良い香りがするようになり、周囲の人々は
不審に思った。
その香りは孫右衛門が死ぬまで一生消えず香り続けたという。

話者:佐藤助右衛門重友     大田南畝の「半日閑話」より



92 :本当にあった怖い名無し [↓] :2010/09/29(水) 11:28:50 ID:Dmf9yn000 [PC]
こんなのでもいいのん?

鎌倉~室町あたりの話で、とある武士が怪我をしている大ガラスを見つけた。
気の毒に思った武士はそのカラスを手当てしてあげたが、そのかいなくカラスは死んでしまった。
その武士はカラスをねんごろに弔ったそうだ。

その後その武士は戦に出た際、敵に囲まれて孤立してしまった。
そのとき、黒塗りの鎧をきた見知らぬ武士が数人現れて助太刀してくれたので、
敵中を突破することができた。
武士は礼をいい、名を尋ねると、黒塗りの武士は、
「私はあなたが弔ってくれたカラスの子です。父を弔ってくれた恩を返すべく、
一族郎党を従えて参上しました。」
というと見る間に姿をカラスに変えて飛び去った。
カラスは親に対し餌を運ぶなどと血のつながりを大切にするので、そのような
義理堅い行為に出たのだそうだ。



101 :自治スレでローカルルール他を議論中 [↓] :2010/10/11(月) 11:52:31 ID:0hJERQGA0 [PC]
1914年(大正3年)7月12日に当時の日本橋区東中通り (中央区京橋の辺り)
にある美術店松井画博堂の二階で恒例の怪談会が催された。
主な出席者は泉鏡花、岡本綺堂、谷崎潤一郎、市川左團次、市川猿之助、
松本幸四郎、黒田清輝などそうそうたるメンバー六十余名で夜の7時から
坂本紅蓮洞を皮切りに各自の怪談話を語り始めた。

そして夜も更けてきて参加者も少なくなってきた頃に見知らぬ男が現われ
「幕末の志士、田中河内介について語りたい」と言い出した。
参加者はすぐにOKを出しその男は会場で語り始めたのだがその内容は
「これは(寺田屋騒動に参加した)田中河内介が最期にはどうなったのか
という話なのだがこの話を語ると災いが起こるという事で今まで封印していた。
しかし今となってはこの話を知る者は自分一人しかいなくなったし、文明開化
の世の中なのだからもう大丈夫だろう」
という事だった。


102 :自治スレでローカルルール他を議論中 [↓] :2010/10/11(月) 11:53:54 ID:0hJERQGA0 [PC]
参加者は興味を持ってこの男の話に耳を傾けていたのだがこの男の話は肝心
な所でいつの間にかループして元に戻ってしまいいっこうに先に進まない。
そのうち残った参加者たちも急用ができたり色々な用事で一人、二人と
序々に会場から居なくなってしまった。
国文学者池田彌三郎の父もこの怪談会に参加していたのだが、彼も電話が
掛かってきたという理由で店の一階に下りてそのついでに一服していると
二階の会場から何か騒ぎが聞こえてきた。
彼が二階に上がってみるとその男が倒れていたのだがその場にいた参加者に
話を聞くと参加者がその男から一瞬目を離した隙にこうなってしまったのだ
という。
結局その夜のうちにその男は死んでしまい田中河内介の最期を語る事は無かった。

この話は怪談会に参加した長田幹彦、鈴木鼓村、喜多村緑郎が書き残して
戦後になってからも徳川夢声や池田彌三郎が紹介しているのだが、その男の
年齢や風体、死亡日時など細部で異なる所がある。
ちなみに京都から薩摩に移送される途中で薩摩藩に暗殺された田中河内介に
関する呪いの話は検索すると色々と出てくる。



120 :自治スレでローカルルール他を議論中 [↓] :2010/10/29(金) 17:43:51 ID:qtH/tIb0P [p2]
『遠野物語』の二十二番目の説話は、京極先生や三島由紀夫が
文学性の高い話として遠野関係の著作物で触れてるね。
葬儀の夜に死者が帰ってくるという話なんだけど、その一節に
「死者の裾が炭取りに触れてくるくると回った」という表現がある。
つまり、現実と異界が混交した時空というものを捉えた特権的な例なんだと。
生きてるとか、死んでるとかいう次元を通り越しちゃってんだよ。


121 :本当にあった怖い名無し [] :2010/11/05(金) 23:23:26 ID:jTwGk5oE0 [PC]
>>120
ジャンルはちと変わるが、、、
映画で言うと「パンズ・ラビリンス」とかまさしくそんな感じ。(監督はギレルモ・デル・トロだったかな?)
この人の映画は死と生のあいだの物語を多く扱っていて、そのため昔話や童話の持つ世界観の色が濃い。
気になった人は観てみるといい


122 :本当にあった怖い名無し [] :2010/11/08(月) 18:20:05 ID:YNd6aKdH0 [PC]
>>120
少し民俗学的な方向へと話が行って退屈な書き方になってしまいますが、もしよければ…

生→死→生死混合(新生再誕)という円環的生命観は日本創生の昔ばなしである“神話"の
その聖地である熊野三山に起こった熊野信仰と、その遠野の伝記に見る
死生観がどこか通じているところに、昔ばなしの根底に聯綿と漂う
日本古来の死生観のノスタルジアを感じられずにはいられません


〈以下、池田教授の本より熊野信仰についての叙述を引用します〉

「熊野権現は浄不浄、貴賎、男女を問わず
戦乱の生地獄を見た貴族、上皇、武士などの、あらゆる人の心を引きつけてやまなかった。
熊野へ肉体を極限まで駆使し、そこで精神的死を迎え
魂の変容を遂げて再生し、再び元の場所に帰還する。
日本人の常世信仰とは、元来、生と死が一体となった他界のことを指していました。」


古来からの常世信仰に仏教思想が加わり、観音菩薩の浄土に往生して
そこで永遠の生命をいきようとする熊野特有の信仰に変質していったようです
それが日本の死生観の核となりました
文学性の高いといえるのは、そのような深みもあってでしょう
昔ばなしにも色々とありますが、言外の部分に奥深いものが潜んでいたりもします
それもまるで妖怪のように


123 :本当にあった怖い名無し [↓] :2010/11/09(火) 02:15:54 ID:K5i724No0 [PC]
じいちゃんが子供の頃に体験した奇談なんだけど

ある晩、小便のために外の厠に赴くと
家の外に火の燈灯がいくつもゆらゆらと揺らめいて
一瞬「人魂かな」と思ったが、どうも違うらしい
小径を歩いてたのは、葬式の行列で
裏山に吸い込まれてくところだった
「たれが死んだんじゃ」と
興味津々で家の外に出て、しばらく眺めてた
小さな村なのに、知ってる顔ぶれが誰一人もいなかった
だんだんと不気味に感じてきたとき
最後尾の着物の女性が立ち止まって
ゆっくりと振り向きざま
ニィっとお歯黒で塗りつぶされた歯を見せて
少年にやさしくほほえみかけた
女の目から一縷の涙がこぼれていた

じいちゃんは驚いて家に飛び込んだという
この話は、「奇妙さのあまり誰にも言いづらかった」と話している
結局のところ、あれは誰の葬式なのか
女が何故ほほえみかけてきたのか
人か妖怪かどうかさえもわからないままだ



125 :本当にあった怖い名無し [↓] :2010/11/10(水) 23:34:01 ID:GVBAlD4Q0 [PC]
昭和の初め、和歌山の山奥に男が薪拾いに出かけた
いつもの行動範囲より少々奥に分け入ると、森の中にぽっかり開けた空き地に出た
中央に大きな岩棚があったので、座って弁当をたいらげ一休みしていると
森の中から2mを超える大きな男が現れた
獣の皮を纏い、背中に薪を背負った大男の顔には額に大きな目が一つだけ
男が驚いて見ていると、隣に腰かけた大男が口を開いた
「煙草があったら一本くれんか?」
持っていた煙草を差し出すと美味そうに一服する大男
「こんなところに何しに来た?」と尋ねられたので、薪拾いに来たことを話す
「どこから来たのか」と尋ねる男に
「お前たちが入ってこれんような、ずーっと先の方から来た」
「今日は久々にこんな場所まで足を運んでしもうた」
その後、しばらく話しこんだ後、それぞれ元来た道へと帰って行った
後日、何度かあの岩棚を目指したが、一度もたどり着くことはなかった



30 :本当にあった怖い名無し [] :2010/11/13(土) 04:11:57 ID:8tq++UGPP [p2]
この話は、とある男と女に降りかかった奇妙な出来事を伝えたものです。
こんな事ってほんとにあるのだろうか?と思う、そんな話です。
出典は、今昔物語です。


今は昔、京の都から東へ下る男がいた。
途中、その男は、にわかに激しい淫欲を生じ、女が恋しくなった。
半ば狂いそうになるなか、大路の傍の垣根の向こうにある大根畑へと足を踏み入れた。
時分は神無月、大根はみずみずしく肥えて、その男の淫欲をさらに刺激してしまった。
その中の一本を引き抜くと、穴を穿ち、交わって淫欲を満たした。
用済みの大根を捨てると、男はふたたび東国へと続く路へと戻ってしまった。

そののち、畑の持主の女が大根畑へやってきて収穫していたところ
穴の開いた奇妙な大根が藪に打ち捨ててあるのを見つけた。
半ばしなびていたものの、勿体無いと思い、その場で食べてしまった。

そののち、女は懐妊し、やがて男児を産んだ。
「まだ男の人にさえ近づいたことは無いのに。あの大根のせいかしら」と悩み倦んだものの
どうすることもできず、女の手一人で子供を育てるほかなかった。

一方で、男、ひさしぶりに京へ戻ろうと、従者を連れて再び大根畑の路へとさししかかる。
男は従者に「昔ここで大根と交わって淫欲を満たしたのだ」とおもしろおかしく語っていたところ
偶然にも畑仕事していた女の耳に入り、女はすぐに男のあとを追って「これこれの理由で妊娠した」伝えた。
男は女の話を荒唐無稽に思ったものの、女の辛辣に話す仕草をみて、せめて女の子供を一目見ようと
家まで赴くと、なんと男児は男の面影に瓜二つ。
「斯様なことがあるものか」と京へ戻るのをやめて、女を妻に娶り、ここで一生暮らすことにしたのだった。


“されば、男女は、たとえ交わらずとも、身に内に淫水(精液)が入れば、斯様に子供が生まれるものだ――
と、かくは語り伝えた由である"



139 :奥野の伊奈 ◆LABYNTzdKY [↓] :2010/11/26(金) 01:34:58 ID:6aRQr8LuP [p2]
このスレがまだ残っていたとは。いちお燃料投下を。


『巨人の屍』

風がおどろおどろしく吹き、海も酷く荒れた夜に、某の郡の東南の浜という所に
死人が打ち寄せられた。死人の身の丈は五丈あまりもあった。横臥した体は半ば
砂に埋れていると申すのに、こちら側からは、向こう側の騎馬の人が手にした弓
の先端しか見えなかった。以て、その大きさが知れよう。その死人は首から断ち
切れていて、頭を失っていた。また、右の手、左の足も無かった。恐らくは鰐な
どが喰い切ったものであろう。五体が揃っていたならば、驚くべき巨人であった
に違いない。また俯せの姿で、半ば砂に隠されていたため、男女いずれとも知れ
なかった。但し、身体の形や肌つきから察すると、女のようでもあった。
国の者共が、これを見て驚き呆れ、大騒ぎした事は申すまでもない。


140 :奥野の伊奈 ◆LABYNTzdKY [↓] :2010/11/26(金) 01:37:41 ID:6aRQr8LuP [p2]
また、陸奥の海道という所でも巨人の死体が上がった。国司の某と申す人が
その噂を聞き、使者を派遣して見聞かせた。砂に埋れて男女の別は付け難い
が、恐らくは女であろう――と、この使者は見たが、折から見物に出ていた
有識の僧などは、 「この世界の内に、かかる大いなる人の棲処ありとは、
仏も説き給うてはおられぬ。思うに、阿修羅女などにやあらん。身体つきな
どたいそう麗しきところを見れば、或いは左様の者ならん」 と推量した。
さて、その死人は、数日を経る程に腐乱が進み、周囲十町二十町の辺りは
人も住み得ぬ始末で、皆逃げ出した。臭気に耐え難かったのである。

                 (「常陸国××郡寄大死人語」より)


※とある未確認海洋生物のこと
屍体を女性だと推定した理由は、肉付きが海獣のように富んでいたからではないでしょうか。
90年代後半にタスマニアに打ち寄せられた未確認生物の屍体となんとなく似ている気がするのです。

http://toki.2ch.net/test/read.cgi/occult/1280578840/1


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[ 2011/01/14 17:37 ] 怪談 | TB(0) | CM(0)

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